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この住まいの施主さんから来た初めての連絡は、アメリカからの1通のメールでした。当時アメリカの某大学歯学部に研究員として渡米されていたのです。帰国してからの住まい作りのため、たまたま声をかけて頂いたのが、2001年の夏の事。私もまだ独立して間なし、稚拙なホームページしか無かったのに、海外からのメール!に驚きました。そして、間もなく帰国され、初めてお会いしたのです。
しかし、しばらくして事情があり、そのままに家作りのお手伝いをする事がやむなく出来なくなってしまいました。とは言え、時折ご相談を受ける関係が続いていたのです。
それが、4年越しの2005年秋、また驚きの1通のメールからこの計画がスタートしました。それは、測量図が添付された新しい計画の依頼だったのです。


添付されていた計画地は、神戸市内の駅を降りたすぐの場所。正面の道は南の工場や集合住宅の多い地域へと繋がっているので、朝夕の通勤・通学時は人通りの多い場所になります。ただし、住宅街に囲われた駅のため、車の交通量はさほど多くはありません。
施主さんは現在も大学勤務ですが、将来の開業の可能性を見据えた計画を希望されました。人通りの多い場所を選ばれたのは、そうした理由からもあります。





1階は小さな納戸を備えていますが、将来の改修プラス増築を念頭においた玄関と駐車スペースになっています。詳細な計画が決まっている訳ではありませんので、必要な耐力壁部分以外は吐き出しの開口とし、想定しうる自由度を高めた状態を保つように計画しています。少し控えていますが、道に面したはめ殺しの大きなガラス窓も住居の玄関になる可能性を残しています。
建物配置も、将来の駐車場スペースを無駄に作らないようにする想定の中で決定されました。







板張りの格子戸を開けると、一旦、趣味のバイク用駐輪スペースとなっています。その奥に本来の玄関が控えています。建物に取り込まれていますが、前庭のようなスペースと言えばよいでしょうか。
玄関入口の正面から2階のリビングに続く階段室となっています。脇から納戸へもいけるようになっています。階段は建物平面を2分するように配置されていますが、それは2階の一部を医院に利用する可能性もあるからです。もちろん結果的に使用されないかもしれませんが、そうした諸機能についても可能性を重視した計画となっています。





敷地形状はくずれた三角形の変形地になって、さらに高低差のある道路からの斜線のため3階は十分な高さが得られません。しかし、その条件をあえてうまく利用したいと考えたのが、この住まいの中で最も特徴的なロフトのような空間になりました。寝室と子供室になっています。
道路に向かって流れる屋根勾配に合わせ、床をめくりあげたような階段室の囲いを作りました。スベリ台には急ですが、つい上ってみたくなる床?それとも壁?です。この階段室が2室のゆるいパーティションになっているので、広いとは言えませんが息苦しさはありません。





施主さんが付けられたライトハウスと言う名前は、息子さんの名前の一文字にあやかっています。また、この街の灯台(ライトハウス)のようなランドマークにしたいという思いも込められています。
夜景になると屋根面とほぼフラットな腰窓?トップライト?から光が漏れます。駅からの坂道に立てば、電柱以外に邪魔されず全景が望めます。暖かい家族の明かりの漏れる様子が見えるに違いありません。
日曜大工が好きで器用な施主さんは、庄司さんのイメージとは違うかも知れませんがお許しください、と少しずつ住まいに工夫をされます。でもそれが、この施主さんらしい住まい方です。
アメリカへのメールのやりとりは、「おいしい白米の家」がキーワードでした。おいしいおかずは、施主さんにお任せすることにしました。



完成年月:2006年10月


このページの本文中の写真撮影:絹巻写真事務所>

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